世の中には多くのデザイナーと呼ばれる仕事があります。その中でも空間デザイナーは人気の仕事で、店の内装や個人宅の内装及び装飾をトータルに担当し、クライアントの希望する演出を叶える素敵でおしゃれな仕事です。需要も多い仕事ですが、どうすればその仕事に就くことができるのでしょうか。
そもそも空間デザイナーとはどんな仕事なのか
クライアントが希望する空間を設計し叶えるのが空間デザイナーの仕事です。施工は専門家の内装業者が行いますが、クライアントとの交渉や内装業者へのデザインの指示を担う仕事です。提案力も必要であり、クライアントにいわれるがままではなく、よりよい空間を予算内で作れるように提案していくことが求められます。
流れとしてはクライアントと話し合い、予算やイメージのすり合わせを行います。ヒアリングというクライアントの希望を正確に把握することや信頼関係を構築することが必要な段階です。すり合わせを終えるとスケッチや図面などでクライアントがイメージしやすいように簡単に形を示します。
模型やCGを作成することもあり、クライアントがイメージしていることを形にしてわかりやすくします。納得が得られれば施工業者を選んで、施工業者と予算など交渉します。施工業者が決まれば現場で直接施工業者に指示したりし、イメージ通り施工できているかチェックしてクライアントと施工業者とディスカッションしていきます。
以上が簡単な仕事の流れであり、専門的な知識も設計する技術も必要な専門職のイメージが強いでしょう。しかし空間デザイナーは名称であり資格ではなく、なるために資格は必要としない仕事です。
空間デザイナーの仕事に就くにはどうすればいいのか
空間デザイナーの仕事をするのに資格は必要ありません。いわば誰でもこの仕事に就くことができます。しかしそう簡単な話ではありません。一般的に施工メーカーなど就職してデザイナー部門に配属されることで空間デザイナーになることが一般的です。
最初から名乗って個人事務所を作ることもできますが、オーダーがないと仕事はありませんので実績もない事務所に依頼する方はいないでしょう。自身に力があると思うなら最初から事務所を作ったりフリーランスで働いたりして空間デザイナーを名乗ることはできますが、現実的ではありません。業界では実績がものをいうので、どこかのデザイナー事務所やメーカーで働き経験を積んでいくことが一般的といえます。
事務所やメーカーに高卒で就職できるものなのか
空間デザイナーの業界は実務経験が重要視される世界なので、どこかの事務所やメーカーでの経験が大切です。当然最初は皆初心者ですが、最初に就職する際に高卒でも可能なのでしょうか。現実は難しい状況であり、まず普通科の高卒では就職することは困難です。メーカーやデザイン会社も無知な人材を一から育てる労力は避けたいですし、時間も費用もかけられません。
しかし基礎知識を有している場合はその限りではありません。デザイナーの基礎知識があるとみなされるのは、工業高校卒業であることや公募入賞した実績などがある場合を指します。その際はアシスタントから採用される可能性は高まります。これは普通科であっても公募入選歴があることも、採用可能性が高まります。逆に高卒で工業化卒業でない、公募入選したことがないと採用される可能性は低いということです。
ただし自身がどれにも当てはまらなくても可能性はゼロではありません。資格がなくてもできる仕事ではありますが、関連する資格はいくつかあります。よく知られているのがインテリアコーディネーターであり年1回受験可能です。
また空間ディスプレイデザイナー認定試験に合格することも、道を切り開ける武器になります。デザインの仕事に就くには学歴よりも、どのような経験や資格を持っているかです。高学歴でも仕事の基礎知識を得られない畑違いの学科だと採用されません。
即戦力とはいいませんが、業界が求めるのは指導機会を省ける存在です。だから高卒でも何もしてこなかった場合には採用の可能性は低いといえますが、資格や知識を有していると判断される実績が少しでもあれば採用される可能性はゼロではありません。
空間デザイナーは、クライアントの求める空間を形にすることを助ける仕事です。アート性が高いイメージの仕事ではありますが、その下地は豊富な知識と経験からなります。実績がものをいう業界であり、就くためにはまずメーカーや事務所に就職して経験を積むことが重要です。
とくに必要な資格はないので誰でもなることはできますが、就職は仕事の専門性から相応な知識を持っていることが必須です。高卒でもデザインの資格や公募入選の実績、工業科であったことなどの要素があれば就職するチャンスは大いにあります。