クオリティーの高い建築物を造るためにはプロの存在が欠かせません。近年注目されているのが、空間デザイナーです。おしゃれなカフェやまるで外国のようなマイホームを建てるにあたってデザイナーの存在が注目されています。空間デザイナーとはどんな職業で、建築家とは何が違うのかを見ていきましょう。
空間デザイナーは空間をイメージするプロです
わかりやすくいうなれば、建築家は家を設計するプロであり、空間デザイナーは空間をイメージするプロということになります。この場合の「空間」とは何も屋内に限りません。野外でもバルコニーや庭園には空間があります。カフェや飲食店、事務所やショッピングモールをはじめもちろん個人宅におけるまで、屋内外どちらも空間が存在します。
その空間をどんなふうに使いたいのかをイメージしていくのがデザイナーです。「おばあちゃんが楽しく住める部屋にしたい」、「お客さんがワクワクして購買意欲が上がる店内にしたい」などのクライアントの理想のイメージを具体化していきます。クライアントの気持ちや立場などを加味して、プロならではの目線と知識でアート的な演出をアドバイスするのが空間デザイナーです。
対して、「何をどう作るか」を具体化して「建物」という箱を設計していくのが建築家です。設計するためには、希望する空間イメージができていなければなりません。つまりはデザイナーが作り上げたイメージを基に、設計図を書いていくことになります。デザイナーを挟むか挟まないかによって、でき上がる建物も違ってくるでしょう。クライアントがより満足度の高い建物を希望するのであれば、デザイナーの存在は欠かせないといえます。
仕事内容における違いを知りましょう
空間デザイナーと建築家では、そもそもの仕事内容が異なります。まず空間デザイナーについて、一般的な仕事の流れについて見ていきましょう。はじめにクライアントとのカウンセリング時間をしっかり設けます。そしてクライアントが抱く理想の空間を把握し、それに対してアート的な提案をしていく形です。
打ち合わせ段階でいかにイメージを共有できるかが重要といえるでしょう。図面以外にもCG作成なども取り入れて、クライアントがイメージしやすいように工夫します。そうして作りたい空間が定まったなら、次は予算内で施工できる業者探しです。
いざ施工が始まるとデザイナーも現場を訪れて品質チェックなどをして、よりよい空間に完成するように尽力します。施工完了すればクライアントに手渡し、その後も過ごしやすいかアフターフォローします。一方建築家の仕事は、わかりやすくいうなれば建物の設計や工事監理です。建築家は大工ともまた異なります。
実際に現場で建物を建てる作業をする人たちが、より的確に動けるためにも重要な役割を担います。しかしながら海外では、15世紀ほどまでは紙に設計図を書く作業はなかったそうです。寸法精度なども開発向上していき、徐々に設計図を書く重要性がみなされてこの職業ができました。
空間デザイナーに必要なスキルや資格を紹介します
建築家になるためには、建築士の国家資格が必要になってきます。空間デザイナーにおいては、資格を持っていなくても働くことが可能です。
しかしながらクライアントから高い支持を得るためには、公益財団法人日本デザイン振興会認定試験の「空間ディスプレイデザイナー認定試験」や公共社団法人インテリア産業協会主催の「インテリアコーディネーター」などの資格は取得しておけば安心です。
またクライアントといかに人間関係を築き中身の濃い話し合いができるかも重要になってくるので、コミュニケーション能力を高めることも大切といえるでしょう。
同じ建築関係に携わる仕事でも、建築家と空間デザイナーはまったく違うことが分かりました。建築家は家を設計するプロであり、建築士の国家試験取得が必要です。一方の空間デザイナーは理想的な建物にするための空間をイメージするプロなのです。
クライアントが憧れのマイホームやお店を持つにあたって、その夢をよりいっそう満足度の高いものに実現するために欠かせない存在といえるのではないでしょうか。デザイナーの力を借りることで、さらに綿密な設計ができて素敵な建物が完成するはずです。